自作で足りる場合と、そうでない場合
まず前提として、自作が悪い選択ということはありません。作成サービスの品質は上がっており、テンプレートを選んで写真と文章を入れれば、見た目の整ったページが作れます。
自作が向いているのは、次のような場合です。開業したばかりで、まず名刺代わりの窓口が欲しい。扱う内容がシンプルで、ページ数も少なくて済む。予算をかけられない状況にあり、まずは形にすることを優先したい。こうした場面では、自作で始めて、必要になったら作り替えるほうが無駄がありません。
一方で、ホームページから継続的に問い合わせを得たい、採用にも使いたい、既にある程度の規模で信頼を示す必要がある。こうした場合は、依頼を検討する場面です。集客を目的にすると、見た目だけでなく、構成・文章・検索対策・導線といった要素が絡んでくるためです。
自作にかかる本当のコスト
自作の費用は、サービスの利用料だけではありません。もっとも大きいのは、時間です。
初めて作る場合、操作の習得、構成を考える、文章を書く、写真を用意する、スマートフォンでの見え方を調整する、といった作業が必要になります。ページ数にもよりますが、合計で数十時間かかることは珍しくありません。本業の合間に進めると、完成まで数か月かかることもあります。
その時間を本業に充てたときにいくらの利益が生まれるか、という視点で見ると、判断しやすくなります。時給に換算して制作費と比べたとき、自作のほうが高くつくこともあれば、その逆もあります。どちらが正しいかではなく、自社にとってどちらが割に合うかで考えます。
また、公開したあとも更新は続きます。作ること自体は一度で終わっても、運用は続く。この点も見込んでおいてください。
依頼したときに得られるもの
制作会社に依頼して得られるのは、完成したページだけではありません。
- 構成の設計:何をどの順番で見せるかを、目的から逆算して決める
- 文章と写真の整理:伝えたいことを、読む人に伝わる形に置き換える
- 検索やスマートフォンへの対応:見つけてもらう・読みやすくするための下地
- 公開後の相談先:不具合や変更が生じたときに聞ける相手がいる
- 時間の節約:本業に集中できる
とくに、公開後に相談できる相手がいることの価値は、あとから実感される場面が多いところです。表示がおかしくなった、電話番号を変えたい、キャンペーンのページを追加したい。こうした場面で自分ひとりで対応するのは、思っている以上に負担になります。
費用については、一括で支払う形のほか、月額制で初期費用を抑える形もあります。予算に幅がある場合は、どの範囲まで含まれるのかを見積もりの段階で確認しておくと選びやすくなります。
判断するための5つの基準
迷ったときは、次の5つで考えると整理できます。
- 目的:存在を示すだけか、問い合わせを増やしたいか
- 使える時間:制作と更新に、月何時間を割けるか
- 社内の担当:続けて手を入れられる人がいるか
- 予算:初期費用と、毎月かけられる金額
- 公開までの期限:いつまでに必要か
この5つのうち、「目的」と「使える時間」が結論をほぼ決めます。集客を目的にしていて、かつ時間が取れないのであれば、依頼を検討したほうが結果的に早く進みます。反対に、目的が窓口の確保で、社内に手を動かせる人がいるなら、自作で始めて十分です。
もうひとつ、判断を左右するのが期限です。展示会や開業に間に合わせたいといった事情があるときは、自作の学習時間が読めないことがリスクになります。
組み合わせるという進め方
自作か依頼かの二択で考えなくても構いません。実際には、組み合わせる方法がいくつもあります。
よくあるのは、土台を制作会社に作ってもらい、日々の更新は自社で行う形です。お知らせやブログ、写真の差し替えといった更新は自分たちで、構成の変更や新しいページの追加は依頼する。この分け方であれば、費用を抑えつつ、更新も止まりません。
逆に、いま自作したサイトがあるなら、それを土台にして必要な部分だけ相談することもできます。文章だけ見てもらう、問い合わせフォームだけ整える、検索対策の設定だけ依頼する。全部を作り替えなくても、改善できるところは多くあります。
いずれの場合も、ドメイン(自社の住所にあたるアドレス)は自社名義で取得しておくことをおすすめします。あとから作り替えるときや、依頼先を変えるときに、これまで積み上げた評価を引き継げるためです。
まとめ
自作と依頼のどちらを選ぶかを決めるために、押さえておきたい点を振り返ります。
- 窓口の確保が目的でページ数も少ないなら、自作で始めて構わない
- 自作の費用は利用料より、習得と作成にかかる時間のほうが大きい
- 依頼で得られるのは完成品だけでなく、構成の設計と公開後の相談先
- 判断は「目的」と「使える時間」でほぼ決まる
- 土台は依頼、日々の更新は自社という組み合わせも選べる
大切なのは、どちらかに決め切ることではなく、いまの状況に合う形を選ぶことです。状況が変われば、選び直しても構いません。
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