乗り換えの前に決めておくこと
最初に整理したいのは、「今のホームページをそのまま引き継いで運用したいのか」「この機会に作り直したいのか」です。ここが決まっていないと、引き継ぐ範囲も、新しい依頼先に伝える内容も定まりません。
そのまま引き継ぐ場合は、今あるデータをできるだけ丸ごと移すことになります。作り直す場合でも、原稿・写真・ドメイン・アクセス解析の履歴といった資産は引き継ぐ価値があります。とくにドメインは、変えると検索からの評価を積み直すことになるため、原則としてそのまま使うのが得策です。
あわせて、見直したい理由を言葉にしておくと、次の依頼先を選ぶときの基準になります。更新の頻度を上げたい、費用の内訳を分かりやすくしたい、問い合わせを増やしたい。理由が具体的なほど、相談の場でも話が早く進みます。
引き継ぐものを洗い出す
ホームページは、目に見えるページ以外にも多くの要素で成り立っています。移行を決めたら、次のものが手元にあるかを確認してください。
- ドメイン:登録の名義、管理画面のIDとパスワード、有効期限
- サーバー:契約先、プラン、管理画面のログイン情報
- ホームページのデータ一式:ページのファイル、画像、CMSを使っている場合はその中身
- 独自ドメインのメール:使っているアドレスと、過去のメールの保存先
- 原稿と写真の元データ:撮影した写真の元ファイル、ロゴのデータ
- アクセス解析と検索の管理ツール:Googleアナリティクスやサーチコンソールの権限
- Googleビジネスプロフィール:オーナー権限が誰にあるか
- 予約システムやフォームの外部サービス:契約者と支払い方法
この一覧を紙かスプレッドシートに書き出し、それぞれ「自社で分かる」「制作会社に聞く」「不明」の3つに分けておくと、やり取りが一度で済みます。
ドメイン・サーバー・CMSの管理情報
移行でつまずきやすいのが、この3つです。順に見ていきます。
ドメインは、登録の名義がどちらになっているかを確認します。自社名義であれば、管理画面にログインして移管や設定変更ができます。制作会社の名義になっている場合は、移管の手順と必要な期間を相談します。手続きには数日から2週間程度かかることがあるため、余裕をもって進めてください。
サーバーは、契約をそのまま引き継ぐか、新しい依頼先の環境に移すかを決めます。新しい環境へ移す場合は、切り替えの当日にホームページやメールが止まらないよう、事前に移し先を用意してから切り替えるのが基本です。切り替えのタイミングは、問い合わせが少ない曜日や時間帯を選ぶと影響を抑えられます。
CMS(管理画面から更新できる仕組み)を使っている場合は、管理者アカウントと、記事や画像を書き出せるかを確認します。書き出せない仕組みの場合は、ページ数によっては手作業での移し替えが必要になるため、その工数も見積もりに入れておきます。
今の会社への伝え方と進め方
依頼先を変えることを伝えるのは、気が重いという声をよく聞きます。ただ、事業の方針が変われば体制を見直すのは自然なことで、制作の現場でも珍しい話ではありません。感謝を伝えたうえで、事務的に進めるのがお互いにとって一番です。
進め方の順番としては、次の形が無理がありません。
- 1. 契約書を確認する:契約期間、解約の申し出の時期、データの扱いに関する取り決め
- 2. 新しい依頼先を決める:移行にかかる費用と期間の見積もりを受け取っておく
- 3. 今の会社に連絡する:解約の時期と、引き継ぎたいものの一覧を伝える
- 4. データと権限を受け取る:受け取ったら中身を開いて確認する
- 5. 移行と切り替えを行う:表示とメールの動作を確認して完了
順番として大切なのは、新しい依頼先を決めてから解約を伝えることです。逆になると、サイトを動かせない期間が生まれてしまいます。
なお、引き継ぎの作業自体に費用がかかる場合もあります。契約書に定めがあることも多いので、事前に確認しておくと想定外の出費を避けられます。
新しい依頼先に渡しておくと早い情報
新しい依頼先との最初の打ち合わせで、次の情報がそろっていると見積もりが早く出ます。
- 今のホームページのURL:全ページの構成が分かる状態で
- 前の項目で作った一覧:手元にあるもの、聞かないと分からないもの
- 見直したい理由:更新のしやすさ、費用、問い合わせの数など
- 現在かかっている費用:月額の内訳が分かるもの
- 希望する時期:契約の切れる日、繁忙期を避けたい月
アクセス解析のデータも共有できると、どのページがよく見られているかが分かり、作り直す場合の判断材料になります。よく読まれているページは残す、まったく見られていないページは統合する、といった整理ができます。
移行が終わったあとは、公開直後の表示崩れやリンク切れ、メールの送受信を一通り確認します。検索結果に出るページも、しばらくは新しい内容に切り替わるまで時間がかかるため、慌てずに様子を見てください。
まとめ
制作会社の乗り換えで押さえておきたい点を振り返ります。
- そのまま引き継ぐのか、作り直すのかを先に決める
- ドメイン、サーバー、データ、権限を一覧にして洗い出す
- ドメインの名義と移管の手順は早めに確認する
- 新しい依頼先を決めてから、解約を伝える
- 契約書の解約条件と、引き継ぎ費用の扱いを見ておく
まずは、この記事の一覧をもとに、手元にある情報を書き出すところから始めてみてください。それだけでも、相談したときの話の進み方が変わります。
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