電話だけで取りこぼしている予約がある
電話に出られなかったとき、かけ直してくれる方ばかりではありません。多くの場合、そのまま次の候補に電話をかけています。取りこぼしは記録に残らないため、店側は気づけません。
出られない時間は、思っているより長くあります。
- 施術中・接客中・作業中で、手が離せない
- 1人で営業していて、電話に出ると作業が止まる
- 営業時間外。夜や定休日にかかってきた電話は取れない
- 混雑する時間帯に、電話が重なる
もう1つ見落とされやすいのが、電話そのものを避ける方が増えていることです。予約の内容を口頭で伝えるのが苦手、営業時間内に電話する時間が取れない、通話より文字のやり取りが気楽。こうした理由で、電話しか手段がない店を候補から外す方がいます。
オンライン予約は、この2つを同時に解決します。営業時間外でも受け付けられ、電話が苦手な方にも入口ができます。電話をやめる話ではなく、受け皿を1つ増やすという考え方です。
導入前に決めておく3つのこと
仕組みを入れる前に、運用のルールを決めておきます。ここが曖昧なまま始めると、二重予約や無断キャンセルで混乱します。
1. どの枠をネットに出すか。すべての空き枠を出す必要はありません。慣れるまでは、対応しやすい時間帯やメニューだけに絞る形でも構いません。常連の方のために、いくつか枠を残しておく店もあります。
2. 受け付ける範囲と締め切り。次の点を決めておきます。
- 何日先まで予約を受けるか(1か月先までなど)
- 何時間前まで受け付けるか(前日まで、3時間前までなど)
- 予約を自動で確定するか、店が確認してから確定にするか
- キャンセルや変更を、いつまで・どの方法で受けるか
- 初めての方と、2回目以降の方で分けるか
3. 誰が確認するか。予約が入ったときの通知先と、確認する担当を決めます。メールだけだと見落とすので、スマホの通知も使える形にしておくと安心です。朝と夕方に必ず見る、といった習慣も決めておきます。
この3つを紙に書き出しておくと、仕組みを選ぶときの判断基準にもなります。
無理なく始めるための手順
いきなり全部を切り替えると、現場が混乱します。段階を踏むほうが確実です。
- 1. 限られた枠で試す:平日の日中だけ、特定のメニューだけなど
- 2. 数週間運用してみる:通知の見落としや二重予約が起きないかを確かめる
- 3. ルールを直す:締め切りの時間や枠の数を、実態に合わせて調整する
- 4. 枠を広げる:問題がなければ、対象の時間帯やメニューを増やす
- 5. 案内を広げる:ホームページ、Googleマップ、店頭、SNSに予約先を載せる
仕組みには、予約専用のサービスを使う方法と、ホームページに予約機能を組み込む方法があります。規模や業種によって向き不向きがあるので、決めた運用ルールに合うかを基準に選んでください。月額の費用、手数料の有無、スマホでの使いやすさもあわせて確認します。
予約ボタンは、ホームページの分かりやすい場所に置きます。トップページの最初の画面、各メニューのページ、スマホで常に見える位置。電話番号と並べて置いておくと、どちらでも選べる形になります。
Googleマップの店舗情報にも、予約先のリンクを載せておきます。地図から探した方が、そのまま予約できる流れになります。
電話予約のお客様を置き去りにしない
長く通ってくださっている方の中には、電話が一番安心という方もいます。ネット予約を入れたからといって、電話をやめる必要はありません。
- 電話番号は、これまでどおり目立つ場所に残す
- 「ネットでも電話でも承ります」と、どちらでもよいことを伝える
- 電話が苦手な方向けに、LINEでの予約も選べるようにする(対応できる場合)
- 店頭では、次回の予約をその場で取る形も続ける
店頭での案内も大切です。「次回からはネットでも取れますよ」と一言添えるだけで、使ってくれる方が増えます。QRコードを載せたカードを渡す方法も手軽です。
注意したいのは、予約の管理が二重にならないようにすることです。電話で受けた予約もその場でシステムに入れておかないと、ネット側で同じ枠が空いたままになり、二重予約が起きます。ここは運用の習慣として、最初に徹底しておいてください。
導入後に確かめること
入れて終わりにせず、効果と問題を見ておきます。3か月ほど続けると、傾向が見えてきます。
- 予約の件数と内訳:ネットと電話がそれぞれ何件か
- 受付の時間帯:営業時間外の予約がどれくらいあるか
- 新規とリピートの割合:新しい方が使ってくれているか
- キャンセルの状況:無断キャンセルが増えていないか
- 電話の本数:対応の負担が減ったか
営業時間外の予約が一定数あれば、これまで取りこぼしていた分が拾えている証拠です。
無断キャンセルが増えた場合は、前日のお知らせを送る設定を入れる、キャンセルの方法を分かりやすく書く、といった対応で改善することが多くあります。いきなり厳しい規定を設けるより、まず連絡しやすくするほうが効果的です。
まとめ
オンライン予約を導入するときの進め方を振り返ります。
- 電話に出られない時間の取りこぼしは、記録に残らないため気づきにくい
- 導入前に、出す枠・受付の締め切り・通知の確認担当を決めておく
- 限られた枠から始め、問題がなければ広げる
- 電話番号は残し、どちらでも予約できることを伝える
- 電話で受けた予約もその場で登録し、二重予約を防ぐ
まずは、直近1か月で電話に出られなかった回数をおおまかに数えてみてください。その数が、今取りこぼしている可能性のある予約です。
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